朝生における枝野幸男議員の発言の詳細というか再現書き起こし


http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20080927/1222513663

自民党利上げ派と民主党利上げ派の違い - Baatarismの溜息通信

はてなブックマーク - 自民党利上げ派と民主党利上げ派の違い - Baatarismの溜息通信

2008年09月30日 id:udy  politics, finance  私も一緒だと思ってた。というか、TV見てないのであれなんだけど、ほんとにそんなこと言ったのか、にわかには信じ難いくらいひどい発言だと思うんだけど。一応ソース希望。

2008年09月30日 id:Yagokoro  え、マジでこんな事言ったの?本当だとすれば酷いなんてもんじゃないな。どんな法律通すつもりだよ…。

2008年09月30日 id:hagakurekakugo  民主党, 経済  おお、これは参考になりまくり。ありがとです。http://www.edano.gr.jp/om/0801om.htmlによると、貸し出し金利については何も触れてないようだけど…。枝野氏の該当発言が本当かどうか分からない。誰か朝生動画あげてください


私は当該番組見ていたというかながら見だったのでちゃんと内容聞いてはいなかったけれども、話題になったのを知って、確かに枝野幸男議員はそういうことを言っていたなとは記憶していた。むろん録画していなかったので確認できなかったけれど、上記のコメントを拝見して、そういえばと録画魔の知人に尋ねたところ彼は録っていた。ただし今時VHSのテープで。そもそも私は現在YouTubeのアカウントも持っていないしネットに動画をうpする習慣もなく、彼の家にはまともなパソコンがない。


ということで借りて当該箇所をその前後に亘ってテープ起こしするかのごとく活字化して発言を完全再現しました。「あのー」「ええと」の類は幾らか省きましたが、その他語尾に至るまでまったくの原文ママ、元発言ママです。文章として不自然なのもそうした事情です。発言のみを忠実に再現しました。


雰囲気や表情やニュアンスについては一切省きました。フモフモコラムは好きですが、私の解釈や印象を差し挟むべきではないでしょう。むろん以下が「ソース」たりえないことは承知です。が、印象操作の意図が当方にないことも明記します。録画された方はそれと参照して、万一異同があれば御指摘ください、そしてできればうpしてください。


私は経済の政策論には滅法疎いし率直に言って関心もいまひとつなので、内容についてはコメントしませんしできません。このことについては文字通りの「無知ゆえの自称中立」ということでお願いします。当該箇所に限定せず前後の流れに亘って再現したのは能う限り恣意の蓋然を排するためです。この件については、私に政治的な意図なきことを書いておきます。こうした勝手な発言書き起こしの問題についても承知しています。


単純に、発言の実際を知りたく思う人があって、私は偶々それを確認できて、しかし動画うpは難しいのでやむなく、ということです。hagakurekakugoさんがつと記しておられる通り、大事な情報はなるたけ精確に限るということです。余計な前口上は措き。以下、CMが明けたところから。当該のVHSテープで1:07〜1:13のおよそ6分間のやりとり。



CM明け。

田原総一郎 : はい上杉さん。


上杉隆 : はい。


田原 : いまね、この(注:出演者席の)右側と左側で大論争になってるんだけど、聞いてどうですか。


上杉 : 財源の部分では、民主党党大会と、自民党の総裁選、取材をしてたんですけど、小沢さんが言ってたのは、22兆円の部分は予算の総組替で、まあ1割ぐらい軽くして、企業もみんな――


田原 : 全部で212兆あるから。


上杉 : 212兆のうちの1割、22兆円を経費節約しましょう、と。政府を。一般企業のように努力しましょうっていうことですよね。で、それで大丈夫かっていう論争が、ずうっと、財源論、えーこれ民主党批判されていましたけど、麻生さんの話を聞いて、最初麻生さん5月に、与謝野さんと一緒にですね、総合経済対策含めて出したときに、たとえば年金の財源に当てるのは全額税方式と仰っていたのが、突然総裁選の初日にですね、特別会計の40兆円の剰余金を当てると言い出したんですね。そのように急に変えて、しかも財源のところは確かなところを言っていないと。そうなると、民主党も不安だったんですけど自民党のほうは今はもっと、より財源の部分では不安なような気がするんですがどうでしょうかね。


田原 : どう。


片山さつき : いや、まだそのへんについて、じゃあ剰余金のうちどの部分をどういうふうに使うかというのは仰っていないと思うんですけれども。


田原 : ただね、僕ちょっとさっきから繰り返し言うけど、麻生さんも小沢さんも同じこと言ってるんだよね。景気を回復して、そして国民の生活を豊かにする、と。どっちがリアリティがあるか、どっちがインチキ臭いか、と。(発言を求めた高橋洋一に)はい高橋さん。


高橋洋一 : ええとね、あの、これ、あの、政治家の方にはちょっと申し訳ないんですけどね、あの、要するに経済のセオリーがあってね、財政政策とかそういうのではね、なかなか実は景気上手くはできないってのがまずあるんですよ。前提として。あの、これ90年代にやった話で、いくら公共投資やってもですね、ちょっとやったら景気悪くなって、最後に残ったのは借金だけってのがあったんですよね。それでね、これで何が欠けてるかって言うとね、実はもう一個政策の手段があって、これは金融政策っていうやつなんですけどね、これ民主党自民党もほとんど言わない。


田原 : どういうこと。


高橋 : 金融政策。


田原 : だからどういうことですか。


高橋 : はっきり言えば金融を緩和するんだけど、あの、2002年から景気が回復して、2000、ええとね、実はこれは6年か7年にもう景気が折れてるんだけど、このふたつを説明できるのは、2001年の量的緩和、それとあと、2006年の量的緩和解除というやつでね。


田原 : 解除したね。


高橋 : そう、だからあれがすごく効くの、ほんと言うと。それでこれは世界のセオリーでしてね、ちょっと学問的だけど1999年に、ノーベル経済学賞取った理論があってですね、それは変動相場制のもとでは、実は、財政政策はあまり効かなくて、金融政策しか効かないっていうのが、あるんですよ。もしこれで反論されるんだったらノーベル経済学賞取れますからどうぞっていう感じですか。


枝野幸男 : いや、あのね、学者的な理論からどうなのか別としてもね。少なくともその財政政策は効かないと。私はそこはまったく同感です。で、金融政策で金融緩和によってどうなるのかといったら、一種のバブルを起こすだけで、確かに止血剤としてはありうるかも知れない。つまりアメリカがあまりにもひどすぎます。そしてこれはたぶん最低でも3年、輸出は駄目だと、思ったほうがいい、と。その間の止血としてはありうるかも知れませんが、本格的に、特に内需主導で、国内消費主導の経済を回復させようと思ったときには、それはあの、一種のバブルを生み出すだけであまり効果はない。僕はむしろ、これは党の見解ではなくて私個人の見解ですが、むしろ、預金金利を上げるべきです。銀行は。銀行に預金金利を、それこそ強力な行政主導指導をして。なぜならば、日本のほとんどの銀行は、国民の税金で潰れるところを助けてもらったんです。だけどいまだに大銀行の経営者の人たちの所得は、相対的には非常に高いです。そしてべらぼうに利益を上げてきました、この間。それは、預金金利の下がり方と、貸出金利の下がり方で、預金金利の下がり方のほうが圧倒的に大きかったからです、この間。それは国民に還元すべきです。そうすると、それによって国民の所得は財政出動を使わずに、相当程度増えます。ですから、預金金利を行政主導指導で、貸出金利の引き上げを後回しにして、今の体力的な余力の範囲内で引き上げろ、と。これをやるべきだと思います。


田原 : はい高橋さん。


高橋 : あのね、そういう議論を、いまテレビに流れちゃったからたぶんみんな見て、聞いてびっくりするでしょうけどね。ある民主党の幹部の人が、ウチもそういう議論してるうちはなかなか難しいんだよな、って言ってましたね。要するにですね、金利を上げて景気が回復するなんてのはまったくない。あの、要するに社会ってのはお金を持ってる人とお金を借りる人はどっちが活力あるかって議論なんですよ。実はこれはね、お金を借りてる人のほうが、お金を借りてまでなんとかしようっていう人ですからね、はるかに力がある。要するにお金を持ってる人っていうのは、けっこうたいしたことないんですよ。●●●●●●をすれば(聞き取り曖昧――専門的な用語らしい。不確定のまま文字にするわけにもいかないので。御容赦)。


枝野 : 増資をすれば景気がよくなるというね――(聞き取り困難。「ぞうし」と音では言っている。辻元氏が重ねて発言している)


辻元清美 : ただね、あのね、政治の論理で言えばね、私、枝野さんの言ってることはね、こういうことだと思うんですよ。やっぱりね、景気をよくするとか、それから、みんなが何か社会に対して積極的になろうっていうのは、世の中の不公平感とかがなくなる。それから安心、将来の安心ですね。今お金があんまりなくってもですね、ちゃんとやっていけるっていうささやかな安心があれば、私はそれをどう制度としてやるか、と思います。


田原 : ちょっと辻元さんに聞きたい。どうすれば、将来安心なの。


辻元 : だからさっきので言ったらですね、制度の問題ですよ。年金の問題。年金ね。で、私ね、麻生さんね、よく言うよと思うんですよ。年金をね、基礎の部分をね、税方式でやってね、一元化みたいな話するでしょ。あれも私たち野党はですね、ずっとそれを言ってきたわけですよ。そしたら――


田原 : 民主党も言ってるじゃない。


辻元 : 私たちみんな言ってましたよ年金改革のときに。そしたら、今の年金制度を調整するのが100年安心だと言ってですね、このあいだそれも強行採決――


田原 : あんなものはインチキだよ。


辻元 : したわけでしょ。


田原 : うん。


辻元 : ところが今度は急に、また、年金は一元化して税でやるとか。さっきの後期高齢者もそうですよ。ですから年金制度をきっちりとしたものにビジョンをまず出す。そして、さっきの、働き方ですよ。やっぱりね、田原さんのさっきの中国のね、あの、人件費が安いっていうのは、もう昔の議論だと思うんですよ。みんなそんなことわかってる――


田原 : 今だって安いよ!
 

辻元 : ところが、それをどうするか。で、ヨーロッパなんかはEUで――


田原 : ちょっと聞きたい!ちょっと聞きたい!じゃあね、――


以下の田原氏の発言からは略。労働問題の議論に戻るので。田原氏が司会としていつもこういう調子であることは改めて言うまでもないと思います。内容について私がコメントできないことは先に記しましたが、内容について「本当に彼/彼女はこう言っていたのか」という確認については、現在、借りているVHSテープを確認できる限りにおいて対応したく思います。書き起こした部分の外については確認できません。物理的に。