マジでコンする5秒前


http://d.hatena.ne.jp/wiseler/20090228/p1

http://d.hatena.ne.jp/wiseler/20090301/p1

http://d.hatena.ne.jp/wiseler/20090302/p1


プロフィール欄見て「これだから学生さんは」って「これだから女は」とどう違うんだろうか。しかし、そのような批判がどこから出てくるかはわかる。利害を背負わない書生論かも知れない、ということ。

REV  麻薬を規制し、拳銃所持を規制したから、暴力団の資金源になっている。解禁すべき。解禁せずに、非合法流通した麻薬や拳銃で被害が出たら、合法化に反対したお前のせいだ。という文字列を思いついた。 2009/03/02

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任侠関係者のシノギは根絶できないから暴対法の施行に反対する、という文字列を私は思いついた。むしろシノギはいっそう巧妙化するだけだから、と。何のための暴対法なのだろうか、と問うなら、堅気の商売を守るために決まっている。シノギがいっそう巧妙化すること、ひいてはいたちごっこが自明であることは、シノギの非合法化と直接には連関しない。筋論としても。


問題を捉える視座が違う。そのことが行き違いの因と思う。マジコンが不法コピーの温床としてあるからマジコン販売禁止の措置を取る――しかし現状、そのことは不法コピーの抑制には貢献しない。そして「マジコン販売禁止はアマチュア開発者への死刑宣告」に等しい。そういう主張と思うけれども、しかし。


シノギそれ自体の抑止について考えることは、シノギの非合法化と必ずしも同じではない。堅気の商売をそれ以外から区別する線として法はある。シノギの非合法化が企業舎弟を用意した、という因果関係がシノギの非合法化に対する批判たりうるか。シノギそれ自体の抑止について考える議論の外では的外れでしかない。


不法コピー抑制の観点から為されるライセンスビジネス批判は、肉を切らせて骨を断つの部類と思う。骨を断つために肉を切らせろと任天堂に対して言っているに等しい。「企業の社会的責任」という概念からも盛大に逸脱している。非合法化されて困るのは「アマチュア開発者」の都合で、堅気の商売にはその都合がある。


堅気の商売とそれ以外を区別するために法はあるのであって、そして結果的にせよアマチュア開発者が「それ以外」の範疇とされることの弊害についてwiselerさんが主張しておられることはわかる。堅気の商売の都合が「アマチュア開発者」を「それ以外」へと追いつめている、という論旨なら。

これが今回の判決内容によって予想される今後の動きです。カジュアルコピーの実態は現状と何も変わらず、さらに悪化することでしょう。いったい、ハードウェアメーカーは何を目指していたのでしょうか。カジュアルコピーの撤廃でしょうか? それともアマチュア開発者の封じ込めでしょうか? はっきりいって、彼らの利益になるようなことは何一つ無いと思います。

http://d.hatena.ne.jp/wiseler/20090228/p1


確かにそれは、少なくともgeekの考え方ではない。ライセンスビジネスの従事者がgeekの考え方をしないことは当然のことと私は思うが。そして任天堂に代表される日本の家庭用ゲーム機産業があくまでライセンスビジネスであったことは公知の事実と思う。粗雑きわまる書き方で申し訳ないけれど。


マチュア開発者は「それ以外」であるか、と問うなら、アマチュア開発者が不法行為に手を染める限り「それ以外」の範疇とされることも致し方なし、と言い切りうるかは確かに微妙だ。が、「アマチュア開発者」の現在をイノセントと前提して主張が展開されなければ微妙についても成立しない。「アマチュア開発者」の現在について一定の確度を持った見積があっての議論と見なして、wiselerさん自身をアマチュア開発者と考えた人があったのだと思う。


マチュア開発者を「それ以外」へと追いつめることに対するNOがwiselerさんの議論の趣旨と私は思った。アマチュア開発者を「それ以外」へと追いつめることは不法コピー抑制になんら役立たないどころか逆効果である、と。結果的にせよアマチュア開発者を「それ以外」へと追いつめることは健全なライセンスビジネスの都合であるが、その都合に対して事実認識と価値判断をどのように見積るかで見解は別れるだろう。アマチュア開発者の都合と健全なライセンスビジネスを秤にかけたなら。


京極夏彦は二次創作について、カエサルのものはカエサルに、ではないが、地下活動は地下であることが仁義、と言った。「原作者は神」と言っているのではない、ビジネスの話をしている。ビジネスとは概ね仁義の問題で、仁義を切らないビジネスは顰蹙を買うし然るべき場所にも置かれる。だから、仁義を切らないビジネスが存在する以上、非合法化には意味があるし意義もある。


地下に置こうが置くまいが不法コピーは抑制できない、という主張は、地下に置くことそれ自体を目的とするアクションに対してはなんら有効でない。地下に置くことそれ自体を目的とするなら単なる企業の営利追求にしか資さない、という意見に対しては、それは一企業の営利の問題ではなく法を遵守する堅気の商売の至上命令である、と答えうる。保守主義的な社会観であることは言うまでもない。


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ユーザーの倫理観とか自社の使命感とかを前提にビジネスするな - よそ行きの妄想


仁義も結構だが、地球はそのような速度で回っているわけではない、ドメスティックな後手後手の対応乙、という指摘はある。成程グローバルな世界を牛耳っている連中は仁義も糞もない、選良の顔をしながらその実『グッドフェローズ』に登場するようなDQN共かも知れない。そのことについてサルでもわかるように絵解きするのが流行っているのかなと『シリアナ』を観たとき思った。


で、地球がそのような速度で回っていないことに対する事実認識と価値判断についてすり合わせる作業をすっ飛ばして述べるなら、「だから」仁義を切らないビジネスを地下に置くべきではない、という主張は成立しない。あるいは欺瞞でしかない。 geekの精神が保守主義的な社会観と相性が悪いことはわかる、しかしDQNの仁義なきビジネスと親和的とは知らなかった。いや知っていたが、親和的であってはならないだろう。書生論としての「べき論」を言うなら。


私たちが規制緩和に対してアイロニカルであらざるを得ないのは、そして時にヒルズの住人を討伐するのは、DQNの仁義なきビジネスによってささやかな堅気の生活が狩られることを恐れるからだ。それは、仁義の修羅場をかいくぐってきた尋常健全な日の丸ビジネスマンがある意味ではおぼこ娘に過ぎないことを意味する――「学生さん」などよりずっと。荒療治でも免疫は要るのだろうか、それとも保守主義は正解だろうか、あまり尋常健全でないビジネスマンの私は、時折日出づる国の未来について考えるのであった。


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