「配偶者」なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです。


http://d.hatena.ne.jp/heartless00/20080503/1209802165

そろそろ浮気について一言言っとくか - iGirl

舞台の裏側と、ブログでは見えない素顔と - Attribute=51


タイトルは改変です。今頃言及しているのは、黄金週間ほぼネット切っていたからです。


むろん配偶者は飾りではない、が、配偶者が在るにもかかわらず、と傍から云々されたとき、そのように言ってしまうことが最も早い。配偶者云々が「パートナーシップ」を了解しないがゆえに捨象しての云々であるなら、「配偶者」に括弧を付することが最も端的な駁ではある。「婚姻届なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです。」と。この場合、問う限りにおいて問われるべきは、民法でなく、マリッジリングであるから。


既婚者としての男女の任意のパートナーシップとその対外的な明示性ということ。『アイズ・ワイド・シャット』の、言い寄る男に対してニコール・キッドマンが「人妻だもの」リングひらひら、ではないが、「マリッジリング」は対外的にもまた内的にも機能において安全弁たりうる。とはいえそれは必ずしも映画のごとく露骨にして直截な話ということでもない。ブログにおける「マリッジリング」の話。


今回のオフの件に限定するなら、heartless00さんの問題意識に即して問われることは、既婚者としての男女のパートナーシップに対する見解とその対外的な明示に尽きる。私はasami81さんのブログをよく読ませていただいていたけれども、御自身の考えるパートナーシップについては言葉を尽くして記しておられたし、その点については明解かつ含むところなく明示されていたと思う。asami81さんがネットとリアルにおいて自身を区別しようとしない人であることも。『iGirl』を読んでいただろうguri_2さんも、そのことを了解しておられたと思う。敢えて書くが、常識の問題として。


なので、端的に問いが筋違いであると私は思った。heartless00さんは「一般論として」問うているのではない。非モテとかオタクとかポジ/ネガとか関係ない。


asami81さんは御自身の考えるパートナーシップについて言葉を尽くして含むところなく明示しておられた。『iGirl』を読んでいただろうguri_2さんは、そのことを了解しておられた。単純に、リテラシーの問題。加えて、既婚者としての男女のパートナーシップを常に民法問題として問い質してしまうことの問題。


より端的に言うなら、あくまで比喩と断るが、『iGirl』において、マリッジリングはキラキラと輝いていたということ。私は他人のこととして楽しく読んでいた。私にババを引かせることのない、すなわちマルクス主義を参照する要のない、愛や恋といった他人の幸福をテキストとして読むことは、楽しい。


既婚者としての男女のパートナーシップを一般論として問うなら、人それぞれ、としか言いようがない。ダリとガラとか引き合いに出しても詮無いが。asami81さんとその配偶者の、パートナーシップをめぐる諸見解と諸了解について、『iGirl』のテキストの外においてはむろん私の知ったことではない。「guri_2はasami81の配偶者のことを考えたか」は大きな御世話以外の何物でもない。当事者問題ということ。たぶん、heartless00さんは、私的なパートナー概念に対する了解がないのではないかな。私と同様に。


私自身は、私的にはパートナーという概念を認めないし、了解したことがない。と書くことはかつての「恋人」に対する侮辱だろうか。私は、一般的にも、私的な「パートナーシップ」と友人間の(かく言ってよいなら)「メンバーシップ」を区別しない。つまり任意の個人に対して殊更に性的に執着しない。そもそも私的な対人関係に対して淡白ではある。


「俺の女」的な概念が端からないがゆえに「私の男」的な概念とその了解の示唆に対して辟易することを繰り返してきた。恋愛における「嫉妬」という概念が私はわからない。恋することが確かに人を分け隔てることであるなら、なるほど私は恋することに向いていないのだろう。むろん、これは私個人の勝手な事情に過ぎない。


付け加えるなら、私は「浮気」という概念の規範性を認めない。人間の心理はそもそも浮気者である。ゆえに「本気」たるべきという規範が所在する。その規範には同意する。


ネガティブ教の使徒であるところの私にはいかなる義理も筋合もない、が、asami81さんとguri_2さんの「名誉のために」指摘すべきは指摘しておいたほうがよいかと思った次第。このことについては要点が横滑りしている気がした。「状況論」としては、noon75さんがはてなを去った理由について、ふと思いはする。今更のごとく。


画家の妻たち

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