リフレイン - 地を這う難破船

窪塚は「この映画を見て、戦争賛美だというヤツはアホだと思う。もう一回見た方がいい。見る前に言うヤツはアホ」とバッサリ。さらに「右だ、左だ、というけど、鳥は両方の翼がないと飛べないという思いで、日々、生きています」と“窪塚節”もさく裂させた。

相変わらず流石だぜ窪塚。『春の雪』の松枝清顕はこの人で見たかった。

真面目な話、メディアを通じて芸能活動を展開する個人が任意の政治的立場を明示して相互に公明正大にDisり合うのは、とても良いことだし健康にして健全なことであると思うんだ。井筒監督ははっきりと「左」だし、窪塚洋介は、実際にはいささか違うのだけれども「右」とされている。

公明党を除いて、個々人が個人としての支持政党すら言明することのない――言明し得ない日本のショービズ界の状況は、不健康ではあるよ。たとえば。

厳格なベジタリアン（ヴィーガン）で、動物愛護運動に熱心。ウェンディーズの前で抗議運動をして逮捕されたこともある。また、サウスダコタのネイティブ・アメリカン、ラコタ族の居住区を守り、彼らの言語と文化を保護するための基金を設立したことでも知られている。

上記の事項と、クロムウェルが掛け値なしの名優であることは、一義には関係がない。むろん、一義以降においては関係し得る。ちなみに私は知ったとき、だからかくもひょろりと痩せて乾いているのかと思ったけれども。

ただ、現在の窪塚洋介が掛け値なしの名優であるかというと略。パフォーマーと私は考えているし、本人もそういう意識ではないかな。むろん、世の挑発を使命とするパフォーマーが時に政治的であることはまったく正しい。