小さな声で一言


東浩紀劇団ひとりって似てないか、顔が。ポイントはシャクレた顎とキョドった眼。表情も似ている。ちょっとググってみたかぎりでは既出でないようだ。友人には同意してもらえなかったが、私のイカれた眼の錯覚か、如何か。御意見募集。なお、御二方に他意は一切ないというかファンですから。だから気付いたの。


昔、故ナンシー関が、そっくりさんの段階的なグラデーションという説を説いていて、つまりAとBの顔が似ていて、BとCの顔がまた似ていて、しかしAとCを並べてもそんなには顔が似ていない場合、この3人の顔はA→B→Cというグラデーションに則って段階的に似ているのである、と。逆もまた真なり。


私の友人に石田衣良と顔が似ている人がいて、(特に昔の)石田衣良リリー・フランキーに顔が似ているな、と私は思っていたのだが、しかるに友人とリリー・フランキーは並べても余り顔は似ていない。下がり目下がり眉で細面の、にやけた優男という風貌の共通点は大雑把にはあるのだが。つまりこの場合、友人→石田衣良リリー・フランキーという似た顔グラデーションが形成されている、と。矢印の向きは逆でもよいのであって、別に高低とかはない。ただ段階を刻んで似ているな、と。


このパターンでもうひとつ私が発見した似た顔グラデーションに、柄谷行人池内紀つげ義春というものがある。本ケースにおける風貌の共通箇所は、厚い唇と、鹿のような偶蹄目の眼差し、にあるのだがしかし、それでも柄谷行人つげ義春の顔は並べてみてもあまり似ていない。ところが両者の顔の中間に池内紀の顔を挟むとびっくり、柄谷とつげの顔は池内の顔によって架橋され、似た顔グラデーションはかくて形成される。現在、私の眼は機能的にかなりやばい状態にあるのだが、さて皆様どう思われますか、このグラデーション。当該の「顔」の画像を探してくる作業を一切横着しておいてナンではあるが、まあ思いつきなので。