新年の挨拶2


『エンジョイ』(ラフスケッチ)・23日再追記・再修正 - CUATRO GATOS広報部はてな非公式出張所・『渋谷ハチ公前広場』

(前略)誤字脱字は当然として、論旨はぽんぽんとぶし、説明は思いっきり不足してるし、話はやたらと脱線するし、前提の共有がまるで抜けてるし。修正したけれどまあほとんど直っていません。先だってのsk(-)44氏による批判(?)で*8、昔の私のやり取りをネタに批判的指摘をされて、それは正しいところもあるのだけれど、一つ付け加えて反論したいのは、このように私は批判においてだけでなく何かをほめる時も極めてひとりよがりだということです(^_^;)。


あけましておめでとうございます。ひさしぶりにブログを拝見したところ、年末に更新されていたので。私は評判こそ耳に入れているものの、チェルフィッチュの演劇もまた当該の上演も直接目にしたことはないのですが(NHK教育にて放送された『目的地』を途中から観たきりです)、私が拝読した限りにおいては、NakanishiBさんが自嘲されるような瑕疵は何もない、力と熱のこもった参照項としてのインフォならびに批評としてのレビューであると、率直に感じましたが。興味深く拝読しましたし、NakanishiBさんがそこにおいて展開されている見解についても異論を覚える余地はありません。文章についても問題があるなどとはまったく思いません。というか、ブログ上でNakanishiBさんが演劇について記されているエントリを拝読した限りにおいて、私が明確な違和感を覚えたものはありません。私が演劇ないし芝居について(おそらく平均よりは観ているといえ)いささか不案内であることも関係しているのでしょうけれど。最近、Apemanさんのブログのコメ欄にてNakanishiBさん自らが掲示されていた、1年半以上前の梶ピエールさんのブログのコメ欄にNakanishiBさんが書き込まれた長文のコメントについても、違和をまったく覚えなかったわけではないといえ興味深く拝読しました。(内容について言及する余裕はないのでリンクはしません)。


(当該の、NakanishiBさんによる『エンジョイ』ラフスケッチを記したエントリについて私はまったくそうは思わないので)あくまで仮に、ですが「何かを褒めるとき」に「ひとりよがり」であったとしても、原則的には無問題であろうと、私は思います。では一般論として「批判において」は。ブログくらいは楽しくやりたかったはずの私もまた、結局は不徳ゆえから他人に対する批判で年が暮れてしまったような気がします(そのため呉智英氏をめぐる「議論」から中途で撤退してしまい申し訳ありません)。暢気なことはあまり言っていられないな、という実感はあります。定常的な前提なき「ひとりよがり」に準拠した判断ないし見解の提示に際して、質的量的にどれほどの対他的な共通項を組織し得るか、複数の項目を価値的に経由したとしても、あらゆる発言者に内在するとされる単独性には届き得ない、内的な回路の所有者たる発言者にとってもまた、プレゼンテーションに耐え得る項目化されたインターフェースを介してしか、つまりは認識に拠ってしか本懐とは接触し得ない。むろんかかる接触とは認識の虚偽にほかならず、本懐とは内的な回路の起源として認識が捏造した幻でしかない。


昨年1月の早稲田大学の件に際しての議論を含め過去エントリを拝読していくうちに、NakanishiBさんの問題意識について多少は了解することができてきた気がします。「いえ誤読です」という話になるかな。私は原則的には、記述単位に拠って是々非々として判断しようと、志向してはいます。異論を覚える以上は、その相互性についてもまた勘定してはいるつもりです。私個人は自己の言動と所業についていくつか反省があったりもします。個人的な反省の結果はおそらく行為に影響を与えることでしょう。それは「改める」とイコールではなかったりもしますし、改めない以上反省がないと思われるのであればやむを得ないことです。一般的にも、認識としての自覚と行為における改変とはリニアに結ばれ得るものではないと私は考えるので。


こうしたエントリないし記述自体をNakanishiBさんは問題とされるかも知れませんが、あるいは言行のエクスキューズないし「手打ち」宣言とでも思われるかも知れませんが、お馴染みの言を用いれば、筆者としてはまったくそのつもりはありません。その言明こそエクスキューズでしかない、ということは承知しておりますが、私は単に、NakanishiBさんの新規のエントリと、それに記された私との過去のやりとりをめぐっての記述を拝読してのひとつの感想を、個人的に伝えようと思って記しています。いささか長いしコメントするよりはトラバで、ということです。NakanishiBさんの劇評は、常に面白く拝読していますし、参考にも勉強にもなります。では、今年も宜しくお願いします。